人生が変わったかもしれないフェリー旅|北海道バイク旅③

福島の田舎で一泊し、90歳になるおばあちゃんと記念写真を撮る。

そして仙台へ。

仙台発苫小牧行きのフェリーは夜に出発だったから、港へはゆっくりと向かう。

途中、あまりパッとしないホームセンターで、縦長のジッポを買う。節約旅とは言いつつ、我ながら無駄遣いだと思います。。

フェリーの乗船や出来事などほとんど覚えていないのだが、一つだけハッキリと覚えている事がある。

船上で百貨店の人事部長に誘われる

フェリーは大体、車よりバイクが先に乗船する。車の邪魔にならぬ様、バイクを端に停めるからだ。

そうして先に乗り込み、船上の居心地が良さそうなスペースを確保すると、見知らぬバイク人同士で酒盛りが始まる。

僕はあの頃まあまあ酒も飲めたので、僕の倍の歳のグループに誘われて一緒に飲んだのを覚えている。

卒業旅行で、と自己紹介すると、嘘か誠が少し年嵩の方から

「人事部にいるからウチの会社に来いよ」

と言う人がいた。聞くと人事部長だと言い、会社名を、聞くとなんと三越百貨店だと言う。

果たしてあれは本当だったのだろうか。バブル全盛期の頃であり得るかもしれないが、その話には乗らなかった。

あの頃はハガキ一枚出せば就職できたので、あり得る話かもしれない。

まあ、出身大学も聞かず、いきなり誘うところが嘘っぽいのできっと冗談だったのだろう。

仮に、本当だとしても今は乗らなくて良かったと思っている。

今の妻に会えなかっただろうし、僕は今の人生が好きだからだ。

船上では酒を飲んだせいかその話しか覚えておらず。。そうしてフェリーは苫小牧に着くのだった。

続く