
福島へ下道で向かう
北海道への旅では細かな計画は立てていなかった。一周できれば良いや、とだけ思っていた。
持参物の概要はこんな感じ。
道中キャンプする予定でいたので、Olympicというディスカウントスーパーで購入した、安物の1人用テント。
寝袋だけは奮発してモンベルのもの。それを仕舞う圧縮袋。
テントとシュラフはリヤキャリアにくくりつけ、衣類やその他のものは山岳用のでかいザックに背負いうというスタイル。
確か火器などは持たず、ランタンさえも懐中電灯で代用していたと思う。
旅費の10万のうちほとんどは郵便局へ預けて、ベルクロで「ベリベリッ」と音がする財布に最低限の現金のみ入れた。
思い出の写真だけは残したいと思い、Nikonの一眼レフをウエストバッグに納め、ゴールドウィンのジャケットとデニム、スニーカーと言ういでたちです。
大体決めていた行程はこうだ。
- 北海道上陸後はまず苫小牧に行く
- 苫小牧までは仙台から太平洋フェリーで行く
- 仙台入り前に、父方の田舎である福島県で一泊する
- 北海道上陸後、遅れて友人が飛行機でやってくるので後日合流する
苫小牧を目指したのはバイトで、仲良くなった先輩が住んでいたからだ。
福島の父方の田舎までは下道で向かった。
金は無いけど時間だけはたっぷりとあるのだ。
いちいち地図を見るのが面倒だったので、高速道路の側道を通る事にした。
側道は快適だった。。
なにせ信号がほとんどない。
「こりゃイイわ」
と思い側道をひたすら北上するが、川にぶつかると道はプツンと切れてしまう。
そんな場合は大きく迂回し、橋を渡り、また側道を見つけては北上する、を繰り返す。
なんだか旅らしからぬバイク旅の幕開けだった。
景色が良い場所を見つけると華奢な三脚を使い、愛車、セロー君と記念撮影を行う。
とにかくセロー号が僕の唯一の仲間だったのだ。
下道で行く旅の楽しさ

下道での旅の魅力は
「いつでも止まる事ができる」
と言う事。高速だとパーキングエリアしか止まれない。
地元からあまり北上した事がなかった僕にとって、見慣れない景色、青い行き先表示版に示される初めて聞く様な地名はとても興味深く、ワクワクしながらバイクを走らせた。
福島の田舎にはあっけなく到着して一泊。
翌日はフェリーに乗るため仙台港を目指した。
続く。
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